GMOあおぞらネット銀行など国内約40行がトークン化預金の相互送金実証へ。全銀システムを介さない即時決済基盤の構築を目指し2027年度の実用化を見込む方針

GMOあおぞらネット銀行、ディーカレットDCP、アビームコンサルティングを中心とする国内約40の銀行が、ブロックチェーン上で流通するトークン化預金を活用した相互送金の実証実験を2026年8月中に開始します。既存の全国銀行データ通信システムを介さず、24時間365日低コストで即時決済できるインフラの構築を目的としています。実証では2つの送金方式を検証し、ディーカレットDCPは2027年度の実用化を見込んでいます。企業間決済や給与振り込みでの利用拡大を見据え、異なる銀行間で資金を移動させる決済インフラを先行して整える取り組みとなります。

監修:ブロックチェーンマガジン編集部

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全銀システムを介さない即時決済インフラの構築

今回の実証実験には、中心となるGMOあおぞらネット銀行のほか、りそな銀行、商工組合中央金庫、横浜銀行などがオブザーバーとして加わり、全国の約40行が参加します。金融庁は2026年4月に、トークン化預金とステーブルコインを活用した銀行間決済の実証実験に対する支援を決定していました。

狙いは、既存の全国銀行データ通信システム(全銀システム)を介さずに、24時間365日いつでも低コストで即時決済が可能なインフラを整えることです。ディーカレットDCPは2027年度の実用化を見込んで計画を進めています。

トークン化預金の特徴と2つの送金検証方式

トークン化預金は、銀行預金をそのままブロックチェーン上のトークンとして流通させる仕組みです。法定通貨を裏付けとして民間企業が発行するステーブルコインとは異なり、預金そのものであるため、マネーロンダリング対策をはじめとする既存の預金規制を応用しやすい特徴を持ちます。すでにゆうちょ銀行や、ほくほくフィナンシャルグループ傘下の北陸銀行がトークン化預金の発行を目指しています。

実証では以下の2つの方式が検証されます。

  • 銀行同士が預金口座を持ち合い、送金額に応じて残高を調整する方式
  • ステーブルコインを介して送金する方式

ステーブルコインを介する方式においては、三菱UFJ銀行など3メガバンクが共同発行を目指すステーブルコインの活用も念頭に置かれています。企業間決済や給与振り込みなどでトークン化預金の利用が広がった場合、銀行間での資金移動が必要となるため、今回の実証はその受け皿となるインフラを整える役割を果たします。

デジタル通貨をめぐる国際的な動向

通貨のデジタル化やブロックチェーンを活用した金融基盤をめぐる動きは、海外でも活発化しています。英国では業界団体のUK Financeが主導し、ポンド建てのトークン化預金「GBTD」の実証が進められています。中国ではデジタル人民元の認可運営機関に平安銀行など8行が追加されて合計30行となり、パイロット運用のエリア拡大が進められています。

日本は預金や株式などをブロックチェーン上で取引するオンチェーン金融において米国に後れをとっているとされていますが、三菱商事が米銀最大手JPモルガン・チェースの基盤を利用し、海外拠点間で預金を送金する実証を進めており、2026年度の実用化を見込んでいます。

ポイント

  • 国内約40行が参加し、全銀システムを介さずに24時間365日低コストで即時決済できるトークン化預金の相互送金インフラ構築を目指す点で注目されます。
  • ステーブルコインとは異なり、預金そのものをトークン化することで既存の法規制やマネーロンダリング対策を応用しやすい仕組みとなっています。
  • 口座残高調整とステーブルコイン介在の2方式を検証し、ディーカレットDCPは2027年度の実用化を計画しています。
  • 英国のGBTDや中国のデジタル人民元など、世界的なデジタル通貨競争が進行する中での国内基盤整備となります。
ブロックチェーン総研Blockchain Research Institute
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