韓国の大手暗号資産取引所ビッサムが、誤って利用者の口座へ入金したビットコインの売却代金返還を求めた訴訟において、提起した4件のうち2件で一審勝訴の判決を受けました。2026年2月のキャンペーンで担当者の操作ミスにより、62万ウォンではなく62万BTC(当時約400億ドル相当)が付与されたことが発端です。誤入金分の99.7パーセントは回収されたものの、口座凍結前に売却された1788BTC相当の代金回収を巡り法的手続きが進められており、取引所の内部統制と法的対応の観点から注目されています。
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誤付与トラブルの経緯と法廷での返還判断
今回の訴訟は、2026年2月6日にビッサムが実施したキャンペーンでの入力ミスが発端となっています。同社は249人の利用者に対して合計62万ウォン(当時約420ドル)相当の特典を配布する予定でしたが、担当者が支払い単位で韓国ウォンではなくビットコインを選択したため、計62万BTCが顧客口座に付与されました。
ビッサムはその後、誤入金分の99.7パーセントに当たる61万8212BTCを回収しましたが、口座が凍結される前に一部の利用者が1788BTC相当を売却していました。同社は3月、売却代金を返還しない利用者に対し、ビットコイン現物ではなく売却によって得られた現金の返還を求める不当利得返還請求訴訟を4件提起しました。
ソウル中央地裁は26日と27日、4件のうち2件についてビッサムの請求を認める判断を下しました。認容された請求額は、26日の判決が500万ウォン(約3600ドル)、27日の判決が1億9400万ウォン(約14万ドル)です。いずれの案件も被告と連絡がつかず、訴訟書類を公に掲示して送達したとみなす公示送達の手続きを経て進められました。残る約1480万ウォン(約1万700ドル)と5億ウォン(約36万2000ドル)に関する2件の訴訟は、現在も審理が続けられています。
規制当局による制裁手続きと取引所が直面する内部課題
この問題は司法判断にとどまらず、行政処分にも発展しています。韓国の金融監督院(FSS)は、取引所が保有していないビットコインをなぜ顧客口座に付与できたのかという点を焦点に調査を実施しました。金融監督院は8月初旬にビッサムへ検査意見書を送付し、制裁手続きを正式に開始しています。
ビッサムは今回の誤付与問題以外にも複数の課題を抱えています。マネーロンダリング対策(AML)違反を理由とした6カ月の一部業務停止処分に対して不服申し立てを行っており、ソウルの裁判所が4月に効力を一時停止する決定を下しました。さらに6月には、別の採用優遇疑惑捜査に関連して警察によるオフィスへの家宅捜索が入るなど、コンプライアンスや業務管理体制の改善が問われる状況が続いています。
ポイント
- ビッサムが誤付与したビットコインの売却代金返還を求めた訴訟で、ソウル中央地裁が4件中2件で同社の一審勝訴を認めた点
- 2026年2月に担当者の操作ミスで62万ウォンではなく62万BTC(当時約400億ドル相当)が付与され、未回収となった売却分1788BTCの現金回収が進められている点
- 被告と連絡が取れないため公示送達により判決が下され、残り2件の請求についても審理が継続している点
- 韓国金融監督院が保有実態のない資産が付与されたシステム上の問題を調査し、制裁手続きに着手している点