xAIの「Grok」と暗号資産エージェント「Bankrbot」が連鎖して不正送金を実行。モールス信号の指示を介して6桁ドル規模の資産流出に

5月4日、モールス信号に隠されたメッセージにより、連携する2つのAIシステムを経由して6桁ドル規模(数十万ドル相当)の暗号資産送金が実行される事案が発生しました。送金に関与したのは、イーロン・マスク氏率いるxAI社が開発したチャットボット「Grok」と、接続されたウォレットから支払いを行える暗号資産エージェント「Bankrbot」です。自律的な暗号資産決済機能を持つAIシステムにおいて、想定外の指示伝達による資産流出と責任の所在に関する議論が生じています。

監修:ブロックチェーンマガジン編集部

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モールス信号を介したAI連携による送金の経緯

今回の事案では、2つのAIシステムが連携する構造が悪用されました。攻撃者はまずウォレットへの送信などの手順を踏んだ後、モールス信号を用いたメッセージを入力しました。

メッセージはxAI社のチャットボットであるGrokを通過し、続いてウォレットと連携して決済を実行できる暗号資産エージェントであるBankrbotへと渡されました。この一連の指示伝達により、最終的に6桁ドル規模の暗号資産送金が引き起こされる結果となりました。外部の調査などでは、モールス信号による指示をGrokが解読して出力し、それをBankrbotが正規の実行命令として受け取ってオンチェーン送金を実行したとされています。

AIエージェントにおける資産管理と責任の所在

この出来事は、AIエージェントに暗号資産ウォレットの操作権限を付与する際のセキュリティ設計に大きな課題を投げかけています。

自然言語処理モデルであるGrokと、実際にトランザクションを実行できるBankrbotが連携していたことで、直接的なシステム侵害を伴わずに指示の伝達だけで送金が成立しました。AIエージェントがユーザーや組織の資金を損失させた場合に誰がその責任を負うべきかという点は、Web3とAIの統合が進む中で重要な検討事項となっています。

ポイント

  • 5月4日にモールス信号に隠されたメッセージを介して6桁ドル規模の暗号資産送金が実行された点
  • イーロン・マスク氏のxAIが手掛ける「Grok」と、ウォレット決済機能を持つ「Bankrbot」の2つのAIシステムが関与した点
  • 暗号資産ウォレットの操作権限を持つAIエージェントが悪用された際の責任の所在が問われている点
ブロックチェーン総研Blockchain Research Institute
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