イーサリアムのコア開発者は、口座の認証や手数料支払いを柔軟化するアカウント抽象化(AA)の実装案EIP-8141を、次期アップグレード「Hegotá」の実装候補であるSFIに格上げしました。これにより、実装方式の議論は継続するものの、Hegotáにおいてアカウント抽象化を搭載する方針が正式に確定しました。アカウント抽象化が実現すれば、秘密鍵紛失時の復旧やETH以外での手数料支払いが可能になり、ユーザー体験の向上が見込まれます。現在はレイヤー1とレイヤー2の間で仕様が分裂しないよう、対抗案であるEIP-8130との互換性や統合に向けた協議が進められています。
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Hegotáでのアカウント抽象化導入とEIP-8141のSFI移行
イーサリアムの開発者であるnixo.eth氏が明らかにした内容によると、コア開発者はアカウント抽象化の実装案であるEIP-8141(Frame Transactions)を、次期大型アップグレード「Hegotá」の実装候補「SFI(Scheduled for Inclusion)」へ格上げしました。
アカウント抽象化(口座の認証、手数料支払い、実行方法を画一的な仕様から切り離し、利用者ごとに柔軟に設定できるようにする技術)は、3月にEIP-8141が提案された時点から、実装方式に議論の余地があっても搭載すべきであるという強い合意が形成されていました。アカウント抽象化の導入により、秘密鍵を紛失した際の復旧や、ETH以外のトークンによる手数料支払いが可能になります。
今回のSFI移行はHegotáでアカウント抽象化を実装する方針を確定させるものですが、Frame Transactionsの詳細な仕様や最終的なEIP番号が決定したわけではありません。なお、Hegotáではプライバシー強化や検閲耐性を高める「FOCIL」の採用なども検討・確定されています。
レイヤー1とレイヤー2の互換性確保に向けたEIP-8130との調整
今回の決定にあたり、Ethlabsの開発者であるデレク・チャン氏は、ACDE(イーサリアム実行層のコア開発者会議)において懸念を表明しました。同氏は、対抗案であるEIP-8130への支持やFrame Transactionsに対する異論が十分に解消されていない段階でSFIへ決定することは、コミュニティの意見を軽視しているという誤ったメッセージを与えかねないと反対しました。
これに対し会議のモデレーターは、今回のSFI移行が示すのはHegotáでアカウント抽象化を実装するというコミットメントのみであり、Frame Transactionsの中身そのものを確定させたわけではないと説明しています。
現在、イーサリアムのレイヤー1とレイヤー2の間でアカウント抽象化の方式が分裂することを避けるため、以下のいずれかを実現するための協議が続けられています。
・EIP-8130とEIP-8141を統合する
・EIP-8130のアカウントをFrame Transactions上に構築し、同一アドレスをレイヤー1とレイヤー2で共有できるようにする
対抗案であるEIP-8130は9月にBase上での導入が予定されており、レイヤー2側の実装が先行する形となっています。これらの仕様に関する議論は、毎週火曜14時(UTC)に開催される「AA breakout」やForkcastを通じて進められています。
ポイント
・次期大型アップグレード「Hegotá」において、アカウント抽象化を実装する方針が正式に確定した点で注目されます。
・アカウント抽象化の導入により、秘密鍵紛失時のアカウント復旧やETH以外での手数料支払いが可能となり、ユーザー体験の向上が期待されます。
・レイヤー1とレイヤー2での仕様分裂を防ぐため、EIP-8141と対抗案EIP-8130の統合やアドレス共有の仕組みについて協議が継続しています。
・EIP-8130は9月にBaseへの導入が予定されており、レイヤー2でのアカウント抽象化実装が先行して進む見込みです。