山陰合同銀行、NTTデータ、セキュリタイズジャパンの3社は、セキュリティトークン(ブロックチェーンなどを活用して発行・管理される有価証券)を活用した資金調達の本格検討を開始したと発表しました。山陰合同銀行が社債型のセキュリティトークンを発行し、投資家に直接販売する「自己募集」型の仕組みを検証します。実現すれば地方銀行本体による社債型セキュリティトークンの発行・販売として初の事例となり、既存のインターネットバンキングを活用して一般投資家の参入障壁を下げるモデルとして注目されます。
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ネットバンキング連携による小口投資の仕組みとシステム基盤
今回の取り組みでは、山陰合同銀行が利用するNTTデータの共同利用型システム「地銀共同センター」と、セキュリタイズのデジタル証券基盤「Securitize PF」の連携を目指しています。
想定される仕組みでは、投資家が同行のインターネットバンキングから申し込み画面へ進むことで、証券口座を新設することなく非対面で小口投資を行えるようになります。投資資金の払い込みや利金・償還金の受け取りも、保有している既存の銀行口座を利用する想定です。
3社は、商品やシステムの設計、投資家管理、情報開示、販売、利払い・償還、法令対応などを幅広く検証する方針です。なお、採用するブロックチェーンについては現時点で正式に決定していません。また、今回の取り組みの実施およびセキュリティトークンの発行は、関係当局への確認や同行内での決定を踏まえて判断される予定であり、確定したものではないと説明されています。
法改正を見据えたデジタル地方債や他行への展開
今回の取り組みの背景には、地方債のデジタル証券化に向けた法制度の整備があります。5月27日に成立した第16次地方分権一括法には、デジタル証券方式での地方債発行を可能にする地方財政法の改正が盛り込まれており、この規定は2027年4月1日に施行される予定です。
山陰合同銀行は、2025年4月の社内コンテストで最優秀賞を受賞した「ごうぎんデジタルグリーンボンド」のアイデアを契機としてデジタル証券の活用を検討してきました。3社は本検証で得られた知見を活用し、地域企業の資金調達支援や自治体によるデジタル地方債の発行につなげる考えです。さらに将来的には、「地銀共同センター」を利用する他の地方銀行などへのサービス展開も視野に入れています。
ポイント
- 山陰合同銀行、NTTデータ、セキュリタイズジャパンが社債型セキュリティトークンを発行・直接販売する「自己募集」型の仕組みについて本格検討を開始した点
- 地方銀行本体による社債型セキュリティトークンの発行・販売が実現すれば初事例となる点
- 投資家が新たな証券口座を開設することなく、インターネットバンキングと既存の銀行口座を通じて小口投資から利払い・償還まで完結できる仕組みを目指す点
- 2027年4月の地方財政法改正施行を見据え、地域企業の資金調達や自治体のデジタル地方債、他の地方銀行への横展開を計画している点