アラブ首長国連邦(UAE)の連邦電気通信・デジタル政府規制庁(TDRA)は、国民向けデジタルIDプラットフォーム「UAE PASS」の文書管理基盤を、アバランチの専用L1ブロックチェーンへと移行することを発表しました。UAE PASSは1,250万人を超える市民や住民、訪問者が利用し、350以上の政府・民間機関が接続する国家規模のデジタルインフラです。共有型のブロックチェーンではなく独立した専用チェーンを採用することで、外部トラフィックに左右されない安定した処理速度と、政府機関による運用主権の確保を図っています。
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専用L1の採用による処理性能の維持と運用主導権の確保

UAE PASSの運営主体であるTDRAは、検証済み文書の保管や共有を担う「デジタルボルト」の基盤インフラを、既存のブロックチェーンからアバランチの専用L1へとアップグレードします。本システムの統合にあたってはDeca4と連携して進められます。
今回の刷新における焦点は、他のユーザーとネットワークリソースを共有する共有型ブロックスペースではなく、専用のL1ブロックチェーンを選択した点にあります。共有型のネットワークでは第三者の利用状況によって発生する混雑や遅延の影響を受けますが、専用チェーンであれば1,250万人規模の検証処理を外部要因から分離して安定運用することが可能です。さらに、参加条件やネットワーク設定の決定権をTDRAが単独で保持できるため、システム全体の統括責任を担う政府機関として必要な運用上の主導権を確保できる設計となっています。
米国カリフォルニア州に続く行政インフラでの同型アーキテクチャ採用
公共機関がアバランチの専用L1を採用する事例は、米国でも先行して確認されています。カリフォルニア州の自動車運輸局(DMV)は、4,200万件にのぼる車両登録証のデジタル化においてDMV自身が運用するアバランチL1を導入しました。これにより、従来は約2週間を要していた名義変更手続きを数分へと短縮することに成功しています。
米国の車両資産登録とUAEの国家身分証明という異なる領域において、公的機関が同様のブロックチェーンアーキテクチャを採用したことになります。行政サービスに求められる主権管理とスケーラビリティを両立する手段として、専用L1の活用が具体的な実績を重ねています。
ポイント
- UAEのTDRAが国民向けデジタルIDプラットフォーム「UAE PASS」の文書管理基盤をアバランチ専用L1へ刷新し、1,250万人規模の国家インフラを移行する点で注目されます。
- 外部利用者のトラフィックによる混雑を排除できる専用チェーンを採用し、大量の検証処理を安定して維持できる環境を構築した点で重要です。
- 参加条件やネットワーク設定をTDRAが単独で決定できる体制を整え、政府機関にとって不可欠な運用の主権を確保した点で意義があります。
- カリフォルニア州DMVの車両登録デジタル化に続き、身分証明という公共インフラ分野でも同様のアーキテクチャが採用された点で注目されます。