国家主導のハッカーが複数ブロックチェーンをマルウェアインフラに悪用。オンチェーンマルウェア活動は420%増加

ブロックチェーン分析企業のチェイナリシス(Chainalysis)の報告により、国家主導のハッカーによるオンチェーンマルウェア活動が420%急増していることが判明しました。北朝鮮に関連するハッカー集団がトロン(Tron)、アプトス(Aptos)、BNBチェーン(BNB Chain)をマルウェアのインフラ維持に利用しているほか、イランに関連すると見られる攻撃者がビットコイン(Bitcoin)のトランザクション内に指示を埋め込んでいる実態が報告されています。国家主導のサイバー攻撃者が分散型ネットワークの特性を自らの攻撃基盤として本格的に悪用し始めていることを示しており、暗号資産業界全体のセキュリティ対策において極めて重要な動向といえます。

監修:ブロックチェーン総研編集部

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国家主導ハッカーによる複数チェーンの悪用手口

チェイナリシスの調査によると、国家主導のハッカー集団が関与するオンチェーンマルウェアの活動規模は420%の急増を記録しました。これらの攻撃主体は単一のネットワークにとどまらず、複数の主要ブロックチェーンを用途に応じて使い分けていることが示されています。

具体的には、北朝鮮に関連するハッカーがトロン、アプトス、BNBチェーンを利用してマルウェアの基盤(インフラストラクチャ)を維持していることが確認されています。また、イランに関連すると疑われる攻撃主体は、ビットコインのトランザクション(取引データ)内部にマルウェアへの指示情報を埋め込んでいると報告されています。

オンチェーンマルウェア急増の背景と業界への影響

従来のサイバー攻撃では、マルウェアを遠隔操作するための指令サーバーやドメインが法執行機関や事業者によって差し押さえられたり停止されたりするリスクがありました。これに対し、ブロックチェーン上に指令やインフラ情報を記録する手法は、一度記録されたデータが改ざんや削除を受けにくいというネットワークの永続性を悪用した手口と見られます。

国家支援型のハッカーが、資金の窃取だけでなく攻撃活動そのものを維持・継続するためのインフラとしてブロックチェーンを組み込んでいることが浮き彫りになりました。暗号資産取引所やウォレットプロバイダー、セキュリティ関連企業などの業界関係者においては、単なる不正資金の追跡だけでなく、ブロックチェーン上に潜む悪意あるトランザクションや通信の検知など、より高度な監視体制の構築が求められる可能性があります。

ポイント

  • ブロックチェーン分析企業チェイナリシスの調査により、国家主導のハッカーによるオンチェーンマルウェア活動が420%急増したことが報告されました。
  • 北朝鮮に関連するハッカー集団は、トロン、アプトス、BNBチェーンを活用してマルウェアのインフラを維持しています。
  • イランに関連すると見られる攻撃者は、ビットコインのトランザクション内にマルウェアの指示情報を埋め込む手法を用いています。
  • 攻撃者がブロックチェーンの改ざん耐性や停止しにくい性質を自らの攻撃基盤に転用していると見られ、Web3エコシステム全体のセキュリティ監視における重大な課題として注目されます。
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