米国の暗号資産(仮想通貨)市場の規制枠組みを定める「CLARITY Act(クラリティ法案)」について、暗号資産研究機関であるGalaxy Researchは、2026年内の成立確率を50パーセントに引き下げました。これは、8月の議会休会を控えて米国上院の審議日程が非常に逼迫していることを受けたものです。法案自体の内容に対する反対ではなく、他の重要法案との日程競合や未解決の調整事項が主な要因とされています。
上院の過密なスケジュールと他法案との競合
Galaxy Researchのリサーチ部門責任者であるアレックス・ソーン氏は、CLARITY法案の2026年内可決確率を、これまでの60パーセント(6月5日時点)から50パーセントへ引き下げたと公表しました。同法案の可決確率は、2026年5月の上院委員会通過後には75パーセントと予測されていましたが、議会の残り日程が減少するにつれて段階的に引き下げられています。
上院は6月29日から地元活動期間に入り、7月13日に再開される予定です。これにより、8月10日から9月11日までの夏期休会に入る前に残された審議期間は約4週間となります。この短い期間に、国防権限法(NDAA)や監視活動の再認可、住宅法案を巡る対立など、優先度の高い他の法案が議場の審議時間を巡って競合しており、CLARITY法案に割り当てられる時間が極めて限られている状況です。
法案の現状と未解決の課題
CLARITY法案は、2025年7月に下院を通過し、2026年5月14日には上院銀行委員会を15対9で通過しました。この法案は、証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)のどちらがデジタル資産を管轄するかを明確に区分することを目的としています。しかし、現在は上院の立法カレンダーに掲載されているものの、具体的な本会議での採決日程や審議進行の動議はスケジュールされていません。
さらに、可決に向けた手続き上の課題も残されています。上院銀行委員会と農業委員会がそれぞれ作成した法案テキストの統合プロセスが完了しておらず、最終的な統一テキストは未だ公表されていません。また、政府高官の暗号資産保有に関する倫理規定や、ソフトウェア開発者の保護規定といった論点についても、依然として調整が続いているとされています。
今後のスケジュールと市場の動向
今後の焦点は、上院の指導部が7月中に採決スケジュールを明確にできるかどうかにあります。7月中に進展が見られない場合、審議は9月以降に持ち越されることになりますが、秋に控える中間選挙の影響により、議論を呼ぶ法案の採決はさらに困難になると見られています。
このような状況を反映し、未来の出来事を予測して取引する分散型予測市場のPolymarket(ポリマーケット)でも、同法案の2026年内可決確率は約41パーセントから44パーセント程度に低下しており、市場全体の期待感が後退している様子がうかがえます。
ポイント
- Galaxy Researchは、CLARITY法案の2026年内可決確率を60パーセントから50パーセントへ引き下げました。
- 確率引き下げの主な理由は、法案の中身に対する反対ではなく、8月の休会を控えた上院の審議日程の逼迫とされています。
- 国防権限法や住宅法案など、他の優先法案との間で議場の審議時間の競合が激化しています。
- 上院銀行委員会と農業委員会の法案テキストの統合や、倫理規定などの重要論点が未解決のままとなっています。
- 予測市場のPolymarketでも、同法案の2026年内可決確率は約41パーセントから44パーセント程度に低下しており、市場全体の期待感が後退していると見られます。