南アフリカ財務省と準備銀行が暗号資産の越境移転に関する規制案を公表

南アフリカ財務省と南アフリカ準備銀行(SARB)は、暗号資産の国外移転を対象としたガイドライン案「越境活動に関する暗号資産マニュアル案」を公表しました。本ガイドライン案は、既存の資本フロー管理規則案を補完し、暗号資産を同国の金融規制枠組みへ統合することを目指すものです。国内で暗号資産の利用が広がる中、従来の金融規制の迂回を防ぎ、不正な資金の流れを検知・遮断することを目的とした施策とされています。

暗号資産の越境移転に対する規制内容と報告義務

公表された草案によると、個人が暗号資産を国外へ送付する際は、認可を受けた暗号資産サービスプロバイダー(CASP:暗号資産の保管や取引などのサービスを提供する事業者)を通すことが義務付けられます。認可事業者は、該当する取引を南アフリカ準備銀行の金融監視局(FinSurv)へ報告する必要があります。

今回の草案では、以下の取引が越境取引として定義されています。

  • 国内の認可事業者と国外の暗号資産サービスプロバイダーとの間で行われる資産移転(流入および流出の両方が報告対象)
  • 国内の認可事業者から非カストディアルウォレットへの資産移転

一方で、非カストディアルウォレットから国内の認可事業者への移転は認められない取引とされています。なお、国内の認可事業者を通じて現地通貨ランド建てで売買する場合は報告対象とはなりません。

利用対象の制限と今後のスケジュール

居住者による暗号資産の国外移転について、当面の間認められるのは個人のみとされています。また、移転できる金額も既存の単一裁量枠または対外投資枠の範囲内に制限されます。

南アフリカ準備銀行は、この規制枠組みが暗号資産に法定通貨としての地位を与えるものではないと説明しています。また、現時点では暗号資産の種類ごとの区別は行っておらず、同銀行はさらなる調査を継続する方針です。本規制案に関する関係者からの意見募集は、9月30日まで受け付けられます。

ポイント

  • 暗号資産の国外移転について、認可事業者(CASP)の経由と中央銀行の金融監視局(FinSurv)への報告を義務化する規制案が公表されました。
  • 非カストディアルウォレットへの移転が越境取引に指定される一方、非カストディアルウォレットから国内認可事業者への移転は認められない取引とされています。
  • 暗号資産の国外移転は当面個人居住者のみに限定され、既存の枠組みに基づく制限が適用される方針です。
  • 暗号資産を用いた既存金融規制の迂回を防止し、不正な資金フローの検知・遮断体制を整備する観点から注目されます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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