証券インフラAPIを提供するアルパカの子会社アルパカ・デリバティブズが、米商品先物取引委員会(CFTC)に先物取引業者(FCM)として登録され、全米先物協会(NFA)の会員となりました。この登録により、アルパカは予測市場で取引されるイベントコントラクトへのアクセスを顧客企業に提供するための規制基盤を整えました。フィンテック企業や暗号資産プラットフォームが個別に接続することなく予測市場の機能を追加できるようになるため、金融インフラの拡充につながると見られます。
規制対応によるイベントコントラクト提供の基盤整備
先物取引業者(FCM)は、顧客から先物や先物オプション、スワップなどの売買注文を受け付け、その取引に関わる資金や資産を預かる事業者区分です。米商品先物取引委員会(CFTC)に登録された事業者は、一部の例外を除き全米先物協会(NFA)の会員となることが求められます。
今回の登録により、アルパカは将来発生する出来事の結果に連動して取引されるイベントコントラクト(イベント契約)を、自社のインフラを通じて提供可能にする体制を整えました。イベントコントラクトは、将来の出来事に対する予測やリスクヘッジの手段として利用されています。顧客企業は、すでに利用しているアルパカの証券インフラにイベントコントラクトを追加することで、複数の事業者と個別に連携することなく取り扱い商品を拡充できるようになります。
なお、アルパカ・デリバティブズは現時点でFCMとしての規制対象業務を開始しておらず、イベントコントラクトの提供開始時期や接続先となる予測市場は公表されていません。また、日本法人のAlpacaJapan株式会社ではイベントコントラクトを取り扱っていません。今後は、規制当局の承認を前提として、より幅広い先物関連商品の提供も予定されています。
予測市場の取引拡大とアルパカの既存インフラ
アルパカの発表によると、予測市場プラットフォームであるカルシ(Kalshi)とポリマーケット(Polymarket)の月間取引高は、2026年4月時点で合計約240億ドル(約3.82兆円)に達し、7カ月間で約5倍に拡大しました。
アルパカは、横川毅氏と原田均氏が米国カリフォルニアで共同創業した米国拠点のユニコーン企業です。同社は株式やETF、オプション、債券、暗号資産などへのアクセスを支えるAPIを提供しており、世界40カ国以上のフィンテック企業や金融機関など300社超にサービスを提供し、1,000万以上の証券口座を支えています。同社の証券インフラは、大手暗号資産取引プラットフォームのバイナンス(Binance)などにも採用されています。
ポイント
- アルパカ子会社のアルパカ・デリバティブズが米CFTCに先物取引業者(FCM)として登録され、全米先物協会(NFA)の会員になりました。
- 予測市場で取引されるイベントコントラクトを、既存の証券インフラAPIを通じて顧客企業へ提供するための規制基盤が整いました。
- アルパカの発表によると、カルシとポリマーケットの月間取引高は2026年4月時点で合計約240億ドルに達し、7カ月間で約5倍に成長しています。
- 顧客企業は複数事業者と個別に接続することなくイベントコントラクトを取り扱えるようになるため、金融・暗号資産サービスにおける商品拡充が容易になる点で注目されます。