ハイパーリキッド関連団体らが米SECの規則611撤廃案を支持。オンチェーン金融に合致する規制と明確な指針を求める方針

分散型取引所ハイパーリキッドの関連団体であるハイパーリキッド・ポリシーセンターとパイスネットワーク開発企業のデューロ・ラボは、米証券取引委員会(SEC)に対し「規則611(トレードスルー・ルール)」の撤廃を支持する意見書を共同で提出しました。規則611は最良気配での執行を義務付ける米株式市場のルールですが、事前の気配提示が存在しない自動マーケットメーカー(AMM)など、オンチェーン市場の仕組みに合致しない課題が指摘されています。両団体は同ルールの廃止を支持した上で、トークン化証券の普及を見据えた原則ベースの規制や最良執行義務に関する明確なガイダンスの策定を求めています。

規則611がオンチェーン金融の障壁となる背景

規則611は、2005年に米SECが全米市場システムルールの中核として導入したもので、取引所に対して最良気配での注文執行を義務付けるトレードスルー・ルールです。取引所間での価格差に対処する目的で制定された一方、各ブローカーが最良価格を表示する全市場へ接続するコストを負担し続ける弊害が指摘されてきました。米SECは今年6月に同規則の廃止を提案しており、ポール・アトキンスSEC委員長は市場の長期的成長を妨げてきた弊害を見直す時期に来ていると述べています。

ハイパーリキッド・ポリシーセンターらは、事前に気配を提示することを前提とした同規則がオンチェーン市場には適していないと説明しています。取引時点で価格が決定される自動マーケットメーカー(AMM)には事前の気配が存在せず、オンチェーン中央指値注文板(CLOB)の気配データも従来の中央データ集約システムである証券情報プロセッサー(SIP)に統合されていないため、オンチェーン事業者がルールを遵守する手段がない状態とされています。規則611の廃止は、自動マーケットメーカーを用いたトークン化米国株のDeFi取引などにおける構造的な障壁を取り除く動きとして捉えられています。

オンチェーン環境に応じた最良執行義務と独立参照価格の必要性

米SECは規則611の廃止後、市場の競争と顧客にとって最も有利になるよう努める最良執行義務を投資家保護の柱とする方針を示しています。これに対し両団体は、オンチェーン市場で最良執行義務を果たすための明確なガイダンスが必要であると主張しました。

オンチェーン市場は、全米最良気配(NBBO)が提供されない夜間や週末、祝日にも取引が継続されるほか、取引順序の操作によって利益を得るMEVといった従来の市場にはないリスクやコストが存在します。技術進化の速度を考慮し、詳細な技術基準ではなく原則ベースの規制を適用することが望ましいと意見しています。また、NBBOが利用できない状況などにおいては、パイスネットワークのような市場操作耐性を持つ透明な価格フィードを独立参照価格として認めるべきだと提言しています。

ポイント

  • ハイパーリキッド・ポリシーセンターとデューロ・ラボが、米SECの規則611(トレードスルー・ルール)撤廃案を支持する意見書を共同提出しました。
  • 規則611の事前気配提示の要件は、AMMやオンチェーンCLOBなどオンチェーン金融の構造と適合せず遵守が困難であったため、撤廃によりトークン化証券取引の障壁が解消される可能性があります。
  • オンチェーン市場は24時間取引やMEVなど従来市場と異なる特徴を持つため、詳細な技術仕様ではなく原則ベースの規制と最良執行義務の明確な指針が求められています。
  • NBBOが機能しない夜間や週末の取引において、パイスネットワークなどの分散型価格フィードを独立参照価格として承認する提案がなされた点で注目されます。
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監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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