大手金融機関のVirtu Financial(ヴァーチュ・ファイナンシャル)と電子取引プラットフォームを運営するTradeweb(トレードウェブ)が、マーシャル諸島発行のデジタル債券を担保としたオンチェーンレポ取引を完了しました。取引にはマーシャル諸島政府が発行したデジタル債券であるUSDM1が担保資産として用いられ、Canton Network上で実行されました。取引および買戻しを含む一連のレポサイクル全体が10分未満で完了しており、ブロックチェーンを活用した機関投資家向け金融インフラの決済短縮を示す事例として注目されます。
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取引サイクルの10分未満での完結とブロックチェーン基盤
今回の取引は、有価証券の受け渡しや資金決済、買戻しまでの全プロセスをオンチェーン上で完結させるレポ取引(有価証券を担保に資金を貸借する金融取引)として実施されました。取引基盤には、金融機関向けにプライバシー機能や相互運用性を備えたブロックチェーンネットワークとされるCanton Networkが使用されました。
従来の金融インフラにおけるレポ取引では、取引成立の翌営業日に決済を行うT+1などの仕組みが一般的ですが、今回のオンチェーン取引では全サイクルが10分未満で処理されました。これにより、取引期間中に発生する決済リスクや資本の拘束時間を大幅に短縮できる可能性が示されています。
担保として活用されたソブリンデジタル債券「USDM1」
取引の担保として用いられた「USDM1」は、マーシャル諸島共和国がオンチェーンで直接発行している米ドル建てのソブリンデジタル債券とされています。米国の短期国債によって1対1で裏付けられており、法的な枠組みのもとで組成された有価証券として位置付けられています。
従来のオンチェーンレポ取引の実証実験では、担保資産をオフチェーンで管理する手法や暗号資産・デジタルトークンを代替として用いるケースが多く見られました。今回の事例では、法的に整備された国家発行のデジタル債券を直接オンチェーン担保として組み込むことで、規制対象となる金融機関間での実務的な取引モデルが検証されました。
ポイント
- Virtu FinancialとTradewebが、マーシャル諸島発行のデジタル債券を用いたオンチェーンレポ取引を完了しました。
- 担保資産には、短期米国債を裏付けとするソブリンデジタル債券「USDM1」が使用されました。
- 取引基盤には金融特化型のCanton Networkが採用され、実行から買戻しまでの全サイクルが10分未満で決済されました。
- 従来のT+1決済インフラに比べ、決済遅延に伴うリスクの低減と資本効率の向上を実現するモデルとして注目されます。