IMF専務理事がステーブルコイン規制へ国際協調を要請。新興国の通貨代替対策と発行国の財政規律維持を求める方針

IMF(国際通貨基金)のクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事は、米ワイオミング州で開催されたジャクソンホール経済政策シンポジウムにおいて、ステーブルコインとトークン化に関する国際協調型の規制対応を訴えました。ステーブルコインは国境を越えた決済を効率化する可能性がある一方、新興国においては通貨代替や金融主権の低下を招くリスクがあると警鐘を鳴らしています。さらに、裏付け資産の発行国である米国などに対しても、資金調達コストの低減に甘んじることなく財政規律を維持するよう求めました。

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監修:ブロックチェーンマガジン編集部

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新興国における通貨代替と金融主権低下への懸念

ゲオルギエバ氏は、ステーブルコインの普及によって銀行の資金仲介機能が過度に低下するほか、脱税の温床となったり自国通貨がステーブルコインに置き換わる通貨代替が進んだりする恐れを指摘しました。特にIMF加盟国の約4分の1が依然として資本規制に依存しており、規制に抜け穴が生じた場合には資本フローの変動や為替の不安定化、金融主権の低下に直面すると警告しています。

これらへの対策として、各国の中央銀行に対しては、健全な国内銀行システムの維持や外貨準備の積み増しといった対応を求めました。地政学的な分断が進む中でも、国際的に協調した規制対応が不可欠であると強調しています。

米国など発行国に求められる財政規律と中央銀行の役割

ステーブルコインの裏付け資産を発行する米国などの発行国に対しても、財政規律の遵守が強く求められました。講演では経済学者ケネス・ロゴフ氏の分析を引用し、ドル建てステーブルコインは米国外に眠る推計15兆ドル規模のドルを取り込む新たな手段になり得ると言及されています。ただし、こうした資金調達コストの低下は限界的な効果にとどまり、責任あるマクロ経済政策運営の代わりにはならないと釘を刺しました。

また、米・仏・日の10年国債利回りがそれぞれ2007年、2008年、1996年以来の高水準にある点に触れ、財政対応の遅れに懸念を示しました。中央銀行は物価安定を最優先すべきであり、財政を救済するために利下げや資産購入を行うのではなく、歳出削減や増税による財政調整に委ねるべきだとの見解を示しています。

ポイント

  • IMFのゲオルギエバ専務理事が、ステーブルコインとトークン化の決済効率化を認めつつ国際協調型の規制枠組みを提唱した点で注目されます。
  • 加盟国の約4分の1が依存する資本規制が無力化し、通貨代替や為替の不安定化を招くリスクがあるとして、新興国に外貨準備の強化を求めた点が重要です。
  • ドル建てステーブルコインが国外の推計15兆ドルを取り込む手段になり得る一方、発行国の財政規律の免除にはならないと警告された点が挙げられます。
  • 米・仏・日の国債利回りが長期的な高水準圏にある中、中央銀行は財政救済ではなく物価安定を最優先すべきと明言した点で注目されます。
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