イーサリアムのレイヤー2ソリューションであるZKsyncを手がけるMatter Labsは、金融機関向け分散型台帳技術(DLT)プラットフォーム「Prividium」のパーミッショニング(利用許可)エンジンをオープンソース化しました。これに伴い、ドイツの中央銀行であるドイツ連邦銀行(ブンデスバンク)が、同行のインフラストラクチャにおいて同プラットフォームの検証を開始しています。基幹インフラを運用する金融機関が単一企業への依存を低減させ、独自にコードを検証・運用できるようにする取り組みとして重要視されています。
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オープンソース化の背景とベンダー依存の解消
Matter LabsがPrividiumのコアとなるパーミッショニングエンジンをオープンソースとして公開した背景には、規制対象となる金融機関からのフィードバックがあったと説明されています。
厳格な規制を受ける金融機関では、基幹インフラを特定の単一ベンダーに依存した商用ソフトウェアのみで運用することを受け入れにくいとされています。基幹コードを公開することで、金融機関は公のコードを用いて自社のインフラ内に許可型チェーンを構築し、独自にコードの監査や改修、運用を行うことが可能になるとされています。これにより、ベンダーロックインを回避しながら、中立的な共通基盤を活用できる環境が整えられました。
ドイツ連邦銀行による検証と技術構成
今回のオープンソース化に伴い、ドイツ連邦銀行が最初の機関として、自行のインフラ環境でPrividiumのオープンソース許可エンジンを導入し、プラットフォームのテストを実施していると報じられています。Matter Labsは今後も同プラットフォームの設計や検証に関して同行と連携を継続するとしています。
Prividiumは、ゼロ知識証明(取引の正当性を証明しながら取引内容のプライバシーを保護する暗号技術)を用いてデータの正当性を検証しつつ、スマートコントラクトやトークンのデータを事業者の内部環境にとどめる仕組みを備えています。また、同プラットフォームの構成要素のうち、ZKsyncのOSコアやシーケンサー、証明生成システムなどの一部コンポーネントは、すでにオープンソースとして提供されていたとされています。
ポイント
- ZKsyncの開発元であるMatter Labsが、金融機関向けDLTプラットフォーム「Prividium」の許可エンジンをオープンソース化しました。
- ドイツの中央銀行であるドイツ連邦銀行が、独自インフラ内で同エンジンの検証および導入を開始した最初の機関となりました。
- 規制機関や金融企業が基幹インフラにおいて単一ベンダーへ過度に依存することを防ぎ、独自にコードを監査・運用可能にする点で注目されます。
- ゼロ知識証明を活用し、取引データの機密性を組織内に保持しながら検証可能性を確保する基盤として、中央銀行等によるインフラ検証が進められています。