Chaos LabsがAaveとのリスク管理契約を終了、V4の運営方針や経済面での不一致が背景に

リスク管理を専門とするChaos Labsは、DeFi(分散型金融)最大手のレンディングプロトコルであるAave(アーベ)との3年間にわたる提携を解消しました。この決定は、次期バージョンである「Aave V4」の管理体制や経済的な持続可能性を巡る意見の相違が原因とされています。預かり資産(TVL)が240億ドルを超える巨大プロトコルにおいて、主要な協力団体の離脱が相次いでいる現状は、業界の運営体制に影響を与える可能性があります。

監修:ブロックチェーンマガジン編集部

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提携解消に至った主な要因と背景

Chaos Labsは2022年11月以降、Aave V2およびV3市場におけるリスク管理やローン価格の設定を担ってきましたが、今回自発的な契約終了を選択しました。その主な理由として、同社は経済的な持続可能性の欠如と、Aave V4の運営方針に関する不一致を挙げています。

同社によれば、過去3年間の業務は赤字状態(ネット・フィナンシャル・デフィシット)で運営されており、Aave Labsから提示された500万ドルへの予算増額案でも、今後の運用コストをカバーするには不十分であると判断されました。また、Aave V4は設計思想やアーキテクチャが従来と大きく異なるため、リスク管理インフラをゼロから再構築する必要があり、法的・運用的な負担が大幅に増大することも懸念材料となりました。

インフラ構成とプロバイダー体制を巡る対立

提携解消の背景には、具体的なインフラ構成に関する戦略的な対立も存在したとされています。Aave LabsのCEOであるスタニ・クレチョフ氏によれば、Chaos LabsはChainlink(ブロックチェーンに外部データを取り込むオラクル)などの既存パートナーを排除し、自社が単独のリスクプロバイダーになることを求めたとされています。

しかし、Aave側は複数のプロバイダーを組み合わせることでリスクを分散する「2層構造のリスクモデル」を維持する方針を優先し、この提案を拒絶しました。これに加えて、BGD LabsやACIといった他の主要なコントリビューター(貢献者)が相次いで離脱したことで、Chaos Labsの業務負荷が過度に増大したことも、今回の決断の背景にあると見られます。

ポイント

  • Chaos Labsが3年間提供してきたAaveのリスク管理業務を終了。
  • 経済的な採算性の悪化と、次期バージョン「Aave V4」に伴う運用負担の増大が主な要因。
  • Chainlinkの置き換えを含む単独プロバイダー化の提案を、Aave創業者のスタニ・クレチョフ氏が拒否。
  • 240億ドル(検索結果によれば260億ドル)以上の預かり資産を抱えるプロトコルにおいて、主要協力者の離脱が続く異例の事態として注目されます。
ブロックチェーン総研Blockchain Research Institute
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