Nasdaqに上場するAvalanche Treasury Corpは、株価がわずか1ヶ月で93パーセント下落したことを受け、事業の継続(継続企業の前提)に対する疑義があることを米国証券取引委員会(SEC)に報告しました。同社が保有する暗号資産アバランチ(AVAX)の価値が購入時の半分以下に減少したことが主な要因とされています。暗号資産の価格変動に直接連動する企業のビジネスモデルが、市場の急激な変化によって深刻なリスクに直面している事例として注目を集めています。
株価の急落と継続企業の前提への疑義
Avalanche Treasury Corp(ティッカー:AVAT)は、SECに提出した四半期報告書(10-Q)において、現在の財務状況では今後1年間事業を継続できるか不確実である(継続企業の前提に疑義がある)との警告を行いました。同社の株価は直近の1ヶ月で93パーセント下落しており、市場での評価が急速に悪化しています。
同社は2026年6月11日に特別買収目的会社(SPAC)であるMountain Lake Acquisition Corp.との合併を経てNasdaqに上場したばかりですが、上場直後から厳しい市場環境に直面することとなりました。
AVAX保有資産の価値半減と財務への影響
同社の経営危機は、主たる保有資産である暗号資産AVAXの価格急落に直接起因しています。
同社はAVAXの購入に約2億6,500万ドルを費やしていましたが、2026年3月末時点でのその評価額(公正価値)は約1億2,300万ドルへと、購入額の半分以下に減少しました。
同社が保有する1,378万AVAXのうち、約780万AVAXはローンの担保として提供されています。さらに、2026年第1四半期(3月31日終了期)の決算では、AVAXの評価損(約4,619万ドル)やステーキングされた(ネットワークのセキュリティ維持に貢献して報酬を得る仕組み)AVAX(stAVAX)の減損(約506万ドル)が響き、約2,678万ドルの純損失を計上したと報告されています。
特定のトークンに依存する財務モデルの課題
今回の事態は、単一の暗号資産(今回はAVAX)を大量に保有し、その運用やステーキングに特化する「トークン連動型」の財務モデルが抱えるリスクを浮き彫りにしました。
暗号資産市場の上昇局面では大きな利益や投資家の関心を集める一方で、市場の下落局面では、資産価値の減少が資金繰りや担保の維持に直接的な打撃を与え、企業の存続そのものを揺るがす可能性があります。
ポイント
- Avalanche Treasury Corpの株価が1ヶ月で93パーセント下落し、同社はSECに対し、事業の継続(継続企業の前提)に対する疑義を表明しました。
- 約2億6,500万ドルで購入したAVAXの保有ポジションが、3月末時点で約1億2,300万ドルと半分以下に減少したことが主な原因とされています。
- 保有する1,378万AVAXのうち約780万AVAXをローン担保として提供しており、第1四半期には約2,678万ドルの純損失を計上しています。
- 特定の暗号資産にバランスシートが強く依存するビジネスモデルは、価格変動リスクが企業財務にダイレクトに波及する点で、Web3ビジネスにおけるリスク管理の重要性を示す事例として注目されます。