ソラミツCBDCによる、太平洋島嶼国およびパキスタンを対象とした中央銀行デジタル通貨(CBDC)などの実証事業が、経済産業省の補助事業に採択されたことが発表されました。本事業では、ソロモン諸島やパプアニューギニアなど計7カ国を対象に、CBDCの実証と貯蓄国債システムの開発が実施されます。新興国における金融サービスのアクセス向上(金融包摂)や越境決済の効率化に向け、日本発のブロックチェーン技術を活用した実運用への可能性が検証されます。
経産省補助事業への採択と対象となる7カ国

ソラミツCBDCが発表した情報によると、同社の事業「太平洋島嶼国・パキスタン・イスラム共和国/金融包摂と越境決済高度化に向けたCBDC等実証事業」が、経済産業省の「令和7年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)」における間接補助事業者(幹事法人)として6月30日付で採択されました。
同事業の対象領域は「DX分野」の実証事業に分類されており、対象国はソロモン諸島、パプアニューギニア、トンガ、サモア、パラオ、フィジー、パキスタンの7カ国です。
太平洋島嶼国などの地域では、金融サービスへのアクセス向上や関係主体間の資金決済の高度化が地域特有の課題とされています。本実証事業では、ブロックチェーン技術を活用し、既存の金融機関や決済システムとの連携を前提とした環境下で、CBDCの発行、流通、償還などの機能や処理の高度化を検証します。さらに制度面を含めた導入課題を整理し、将来的な実運用への移行可能性を確認することや、社会実装・事業化を目指す方針が掲げられています。
ハイパーレジャー・イロハ3を活用した共通プラットフォームとこれまでの実績
今回の実証事業では、ブロックチェーン基盤「ハイパーレジャー・イロハ3(Hyperledger Iroha 3)」を用いた共通プラットフォームが構築されます。ハイパーレジャー・イロハは、非営利団体リナックス財団(Linux Foundation)傘下の「LFディセントラライズド・トラスト(LF Decentralized Trust)」に属するオープンソースプロジェクトであり、ソラミツがオリジナル開発者として主要コントリビューターを務めている技術とされています。
ソラミツおよび2024年3月に海外向けCBDC事業などを引き継いで設立されたソラミツCBDCは、これまでにも経済産業省などの支援を受け、ラオスやソロモン諸島、パプアニューギニアなどでCBDCの概念実証を重ねてきました。
これまでの実績として、パプアニューギニアでは2025年1月に「デジタル・キナ(Digital Kina)」の概念実証(PoC)を完了し、パキスタン中央銀行とのCBDC実証実験も完了させています。また、パラオにおいてはブロックチェーン基盤の貯蓄国債システム「パラオ・インベスト(Palau Invest)」のプロトタイプを完成させ、一般向けのデモシステムを公開するなど、各国で段階的な実績を積み重ねています。
ポイント
・ソラミツCBDCの事業が、経済産業省の「令和7年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)」に採択されました。
・対象はソロモン諸島、パプアニューギニア、トンガ、サモア、パラオ、フィジー、パキスタンの計7カ国で、CBDCの実証と貯蓄国債システムの開発が行われます。
・ブロックチェーン技術を用いて発行・流通・償還機能などの高度化を検証し、金融アクセスの向上や越境決済の効率化を目指す点で注目されます。
・基盤技術にはソラミツが開発に関与するオープンソースの「ハイパーレジャー・イロハ3」を用いた共通プラットフォームが構築されます。
・パプアニューギニアでのPoC完了やパラオでの貯蓄国債システム公開など、これまでの取り組みを背景に社会実装と事業化に向けた検証が進められます。