米上院インディアン問題委員会で予測市場の規制権限を州や部族に残すよう求める議論が行われました。暗号資産等の規制枠組みを定めるクラリティー法案に対し、スポーツ賭博などを州の管轄とする条項の追加が要請されています。法案自体の審議手続きも停滞しており、8月の議会休会前における採決の成立は不透明な情勢となっています。
予測市場の規制権限を巡る州とCFTCの対立
米上院インディアン問題委員会は8月4日に円卓会議を開催し、予測市場の規制のあり方について協議しました。出席した上院議員や部族のゲーミング規制当局者らは、スポーツ賭博の管轄権を州に残すことを求め、米商品先物取引委員会(CFTC)への権限集中に反対する姿勢を示しました。
米インディアン・ゲーミング協会のテハシ・ヒル副会長は、クラリティー法を改正して予測市場を通じたスポーツやカジノ賭博を禁止する条項を追加し、州や部族のゲーミング法がCFTCに優先されることを明確にするよう要請しました。また、民主党のティナ・スミス上院議員は、クラリティー法または農業法案に同様の条項を追加することで、CFTCの権限が既存の部族と州の契約や規制法を排除しないようにできると述べています。
これに対しトランプ政権は、CFTCのマイケル・セリグ委員長に予測市場の監督権限を与えることを支持しています。セリグ委員長はCFTCが予測市場に対して専属的管轄権を持つと主張して複数の州を提訴していますが、州側は賭博法違反として反発しています。なお、ポリマーケット(Polymarket)やカルシ(Kalshi)といった予測市場プラットフォームは利用者を急速に増やして企業価値を数十億ドル規模に伸ばしており、CFTCによる単一規制を支持しています。
クラリティー法案の審議状況と手続きの行方
クラリティー法案自体の審議も難航しており、現時点で上院における討論終結(クローチャー)申請は行われていません。7月22日ごろに上院銀行委員会と農業委員会の統合版草案が公開され議事日程に掲載されていますが、ホワイトハウスが最大争点である倫理条項について回答していないため、折り合いがついていない状況です。
ジョン・スーン上院院内総務は8月4日、8月10日から9月14日までの休会前に初回の手続き投票を実施する見通しを示しましたが、クローチャー投票が成立するかは不透明としています。民主党の上院議員らは超党派による倫理条項の合意が得られていないとして、クローチャーを阻止する方針であると報じられています。
上院規則22条におけるクローチャー手続きでは、提出から中間1営業日を挟んだ2日目に採決が行われ、可決には定数の5分の3にあたる60票が必要です。可決後は最大30時間の事後審議を経て審議入りへの採決(単純多数決)に進みます。審議入り後も法案本体に対して再度60票が必要なクローチャー採決を行い、可決後に最大30時間の事後審議を経て最終可決の単純多数決採決に至る仕組みとなっています。
ポイント
- 米上院の会議で、予測市場におけるスポーツ賭博の管轄権を州や部族に残す条項を追加するよう求める動きが出ています。
- ポリマーケットやカルシといった主要予測市場がCFTCによる単一規制を求める一方、州側と規制権限を巡る対立が続いています。
- クラリティー法案は倫理条項を巡る対立により審議が難航しており、8月10日からの休会前に初回投票が成立するかは不透明な状態です。