ECBのラガルド総裁がギリシャにバイナンスのライセンス却下を要請。欧州市場への参入を阻止する方針

欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド総裁が、大手暗号資産取引所バイナンスによる欧州連合(EU)の暗号資産ライセンス申請を却下するようギリシャ政府に働きかけていたことが、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道で判明しました。バイナンスはギリシャでのライセンス取得を通じてEU全域での事業展開を計画していたと見られます。中央銀行トップが個別の事業者認可に対して直接介入したとされる今回の事態は、欧州における規制運用の透明性や暗号資産市場の参入障壁を巡る議論に大きな波紋を広げています。

監修:ブロックチェーン総研編集部

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ギリシャへの要請とライセンス申請を巡る背景

報道によると、ラガルド総裁はギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相に対し、バイナンスの暗号資産サービスプロバイダーライセンスを承認しないよう求めたとされています。バイナンスはギリシャの金融規制当局を通じてライセンス取得の手続きを進めており、当初は技術的な審査を通過して承認に向けた準備が進んでいたと報じられています。

しかし、ラガルド総裁からの働きかけを受けて状況が一変したとされています。ラガルド総裁が懸念を示した理由として、バイナンスが過去に米国でコンプライアンス違反に関する罪を認めた経緯があることや、米ドル建てステーブルコインの台頭がECBの推進するデジタルユーロ構想に影響を与える可能性が挙げられているとされています。

欧州の規制枠組みと事業展開への影響

欧州では暗号資産市場規制(MiCA)が整備されており、加盟国のいずれか1カ国で認可を取得すればEU加盟27カ国すべてでサービスを提供できる仕組みが導入されています。バイナンスはこの制度を活用し、ギリシャを拠点としてEU全域への事業拡大を図っていたと見られます。

一方で、ECB自体にはMiCA規則に基づく取引所ライセンスを直接承認または却下する法的権限は付与されていないとされています。権限を持たない中央銀行トップが政治的なルートを通じて許認可の判断に影響を及ぼしたとされる点は、欧州における規制プロセスの独立性や客観性の観点からも業界内で重大な前例として受け止められています。

ポイント

  • ECBのラガルド総裁が、ギリシャ政府に対してバイナンスのEU暗号資産ライセンス申請を却下するよう要請したとWSJが報じた点
  • バイナンスはギリシャでの認可を通じてEU加盟27カ国全域で事業を展開する計画を進めていたと見られる点
  • ECBにはライセンス付与に関する直接的な権限がないにもかかわらず政治的介入が行われたと報じられ、規制プロセスの透明性の面で注目される点
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