近年世界的に注目を浴びる機会が増えてきたeスポーツ。
大きな大会が開かれることもあり、確実にその地位は向上しています。
今回Pacific Metaマガジンでは、eスポーツの市場規模について以下の内容を中心にご紹介します。
- eスポーツの市場規模を国別に紹介
- 日本と世界のeスポーツ大会の違いについて解説
- eスポーツの今後について
現在のeスポーツの市場規模や日本での扱い、今後の展望について詳しく解説していくので、ぜひ最後までご覧ください。
eスポーツの国別市場規模はどれくらい?
eスポーツは、世界と日本では市場規模が異なります。
有名な国と日本に分けて、それぞれ解説していきます❗️
世界のトップ!アメリカのeスポーツ市場規模
世界で最もeスポーツが栄え、発展しているのはアメリカです。
1997年には既にプロゲーマーのチームが設立されており、eスポーツでお金を稼ぐことが当たり前という風潮が生まれました。
2017年の世界のeスポーツ市場合計786億円のうち、アメリカだけで全体の37%を占めており、その金額は約291億円にも及びます。
引用元:大阪経済大学
今や国全体でeスポーツを発展させ、プロゲーマーの育成に力を入れているアメリカ。
大学の推薦入学にゲーマーの枠を設けたり、奨学金制度によってeスポーツを学びたい生徒をバックアップしたりする体制を整えています。
世界的にも早い時期からeスポーツに着目し、今も発展させるべく力を注いでいます。
アジアトップ!中国のeスポーツ市場規模
アメリカに続いて世界第2位のシェア率を誇る中国。
アジアにおけるeスポーツの市場規模はトップであり、世界大会で中国のチームが優勝するなど着実に実力も伸ばしています。
また、2019年には中国の公認職業として正式にeスポーツプレイヤー(プロゲーマー)、eスポーツ運営者が登場しました。
プロゲーマーに関しては他のスポーツ選手と同様に、国から支援・教育を受けて自分のスキルを磨き上げています。
中国にとって、ゲームは1人でするものではなくオンライン対戦するものという認識が一般的であり、それがeスポーツ市場を発展させる要因にもなりました。
ゲームとして、スポーツとして、新しい業界として若年層を中心に人気を集めており、今後もその規模が拡大していくことが考えられます。
メディア主導で拡大!韓国のeスポーツ市場規模
韓国は、かつては日本と同じようにゲームは家庭内で楽しむものという認識が浸透していました。
オンラインゲームが普及するにつれてメディアがそれを取り上げ、徐々にeスポーツの存在が国全体に広まっていきます。
eスポーツ専用チャンネルがケーブルテレビで放送され、eスポーツが国民にとって身近な存在になりました。
国内でもeスポーツチームが発足し、高い実力を有したプロゲーマーはそこに所属することでコーチから指導を受けて更にスキルを磨いていきます。
そして給料を貰ったり大会に出場して好成績を収めたりして、生計を立てる人が増えていきました。
2004年に開かれたプロリーグの決勝戦には10万人もの観客が集まり、それ以降国民のみならず大企業もeスポーツに注目します。
2019年には国体の競技種目としてeスポーツが採用されました。
現在は世界の市場規模第3位に上り詰めるほど、韓国のeスポーツ市場は拡大しています。
日本のeスポーツ市場規模
日本のスポーツ市場規模は、世界のeスポーツ先進国に比べると大きいとは言えません。
世界のスポーツ市場規模におけるシェア率は2017年の時点で0.5%であり、まだ世間になじんでいるとは言えない状況でした。
引用元:大阪経済大学
ただ、ここ数年でeスポーツの市場規模は着実に広まっています。
2018年から2020年におけるeスポーツの市場規模は以下の通りです。
2018年 | 48.3億円 | |
2019年 | 61.1億円 | 前年比127% |
2020年 | 68.8億円 | 前年比109% |
引用元:ファミ通.com
目覚ましい成長を遂げています。
日本でもeスポーツが順調に浸透しているという訳です。
「eスポーツ 日本」について詳しく知りたいという方は、こちらの記事もあわせてご覧ください!
日本のeスポーツ市場の内訳
日本のeスポーツ市場の内訳(2020年度)を紹介します。
スポンサー | 67.3% |
放映権 | 19.2% |
アイテム課金・賞金 | 11.5% |
チケット | 1.2% |
著作権許諾 | 0.4% |
グッズ | 0.2% |
引用元:ファミ通.com
最も多いのはスポンサー費用でした。
放映権とは一般的に番組を放送するテレビ局が獲得するものですが、eスポーツに限っていうと配信プラットフォームが放映権を持っています。
eスポーツ競技会の種類と賞金額は?
eスポーツにはどんな競技の種類があり、どのくらいの賞金額なのでしょうか。
国内大会と世界大会を比較していきましょう?
国内大会と賞金額
eスポーツの国内大会に採用されたゲームと賞金額を紹介していきます。
競技名 | 大会名 | 優勝賞金 |
シャドウバース | Shadowverse World Grand Prix 2019 | 1億1,000万円 |
モンスターストライク | モンストグランプリ2019 アジアチャンピオンシップ | 4,000万円 |
荒野行動 | 荒野CHAMPIONSHIP -王者の絆 | 1,000万円 |
PUBG MOBILE | PUBG MOBILE JAPAN LEAGUE SEASON1 | 1億円 |
日本でも1億円を超える優勝賞金が用意されている大会が開催されていました。
eスポーツの規模が年々大きくなっていることが伝わってきます。
世界大会と賞金額
世界大会での賞金額をまとめました。
競技名 | 大会名 | 優勝賞金 |
Dota 2 | The International 2019 | 約15億円 |
Counter-Strike:Global Offensive | World Electronic Sports Games 2017 | 約8,000万円 |
リーグ・オブ・レジェンド | World Championship | 約2億円 |
Fortnite | Fortnite World Cup | 約3億円 |
今までで最も優勝賞金が高かったのはDota2の大会であり、優勝賞金はなんと約15億円でした。
5人1チームでの大会であり、1人当たり3億円を獲得しています。
日本より優勝賞金・大会の総賞金額が高く設定されていることが分かりました。
「eスポーツ 賞金」について詳しく知りたいという方は、こちらの記事もあわせてご覧ください!
「プロゲーマー チーム」について詳しく知りたいという方は、こちらの記事もあわせてご覧ください!
https://pacific-meta.co.jp/magazine/gamer/progamer/62712/日本と世界の賞金額の差は法令が原因?
日本と世界で、なぜ賞金額に差が生まれてしまうのでしょうか。
日本のeスポーツ大会にあまり高額な賞金を設定できない理由として、以下の3つの法律があげられます。
- 景品表示法
- 賭博法
- 風営法
景品表示法とは、分かりやすく説明すると特定の商品・サービスに関して消費者に誤解を与えてはいけないという法律です。
例えば、メーカーが自社が開発したゲームを使ったeスポーツの大会を開くと、それを見た観客の「ゲームが欲しい」という気持ちを煽ると考えれてしまいます。
そのため、このようなケースではゲームの販売価格の20倍までしか賞金額を設定できません。
6,000円のゲームだと、賞金額の上限は12万円になります。
続いて賭博法ですが、これによって観客から集めたお金を賞金として利用することが禁じられています。
海外ではこの賭博法が適用されないため、観客から集めたお金も賞金に設定できるため、日本と世界とで差が生まれるということです。
また、日本ではeスポーツをはじめとしたゲームビジネスは風営法を守る必要があります。
eスポーツ大会専用の会場を設置する、参加費を無料にするなどの対策をとらなくてはいけません。
eスポーツ市場規模 今後の予測は?
eスポーツの市場規模は、今後どのように展開していくのでしょうか。
経済産業省は2022年までに91億円!
経済産業省は、日本のeスポーツの市場規模について以下の見解を述べています。
日本の直接市場は 2022 年までに 91 億円に達する見込みである。
引用元:経済産業省
2018年の48億円から2020年に66億円まで成長したことを踏まえると、平均成長率は20%になります。
このまま成長率が推移していくと、2022年までには国内のeスポーツ市場規模が91億円になるという予測が立てられました。
実際にはここ数年で急速に市場規模が拡大しているため、もっと成長率が伸びていくことも考えられます。
そうなると更なる市場規模拡大に繋がっていきます。
ファミ通によると2024年には184億円!
ファミ通は、2024年にはeスポーツの市場規模が184億円になると発表しました。
経済産業省が予測したeスポーツの成長率は20%でしたが、ファミ通はそれを上回る29%という数値を掲げています。
主な要因は以下の通りです。
- eスポーツファンの増加
- eスポーツ大会の定着(オンライン・オフライン)
- eスポーツリーグブランドであるX-MOMENTの発足
- eスポーツのモバイル部門の普及
- 広告流入の増加
また、試合観戦・動画視聴を行うファン数は、2020年に約686万人に上っています✨
2019年は483万人だったので、かなり増えています。
この調子で順調にeスポーツの市場規模が拡大していくことが考えられるでしょう。
newzooは世界ベースで2024年に16億ドル突破!
eスポーツ業界最大手の海外市場調査会社・newzooによると、eスポーツの視聴者数が増えるとともにユーザーの支出も増加することが予想され、世界のスポーツ市場規模は2021年に10億ドルを突破する見込みです。
2019年から5年間かけてeスポーツ市場規模は順調に拡大していき、2024年には16億ドルを突破すると予測を立てました。
その背景には、ユーザーの増加により大会のチケット収益やグッズ収益が増えていくこと、中南米・アフリカ・東南アジアと言った地域でモバイルゲームの人気が出てきていることがあげられます。
家で過ごす時間が増えてきており、各プラットフォームを利用したライブストリーミングの伸びが特に順調です。
こうしてeスポーツの存在が各国の人々の中に根付いていき、今後も浸透して市場規模が大きくなっていくことが予想されます。
日本のeスポーツ市場規模が世界と比較して小さい理由
世界的に見て、eスポーツの地位は確実に向上しています。
その一方で、日本のeスポーツ市場規模は拡大傾向があるものの、eスポーツ先進国と比べるとまだまだ小さいものでした。
その理由として、以下の4つがあげられます。
eスポーツを「遊び」と考える国民性
日本人の多くが昔からゲームに親しんできました。
そのため、eスポーツはどうしてもスポーツではなくゲームの延長線上にあるもの、いわゆる「遊び」だと考えている人が多いというのが現実です?
子供から大人まで広く親しむ娯楽という文化が根強いため、スポーツだという認識を持てないという人が多いのです。
これからどんどんeスポーツがメジャーになっていくと考えを見直す人も増えてくるかもしれません。
しかし、現状まだゲームだという扱いから脱せていない部分が大きくなっています。
日本独自のゲーム機の普及
日本では家庭用ゲーム機の普及がかなり進んでいます。
ゲームは家で楽しむものであり、大会へ参加したりプロゲーマーとなってお金を稼いだりするものと言われても、どうしても結びつかない人が多いのでしょう。
アメリカなどは古くからPCゲームの大会などが開催されていて、それがeスポーツの期限になったとも言われています。
日本は独自の家庭用ゲーム機が普及していて、eスポーツの世界で注目を浴びているようなPC向けゲームの普及が遅れてしまったということです。
法的に高額賞金が提供できない
日本と世界の賞金額の差について言及した項目でも述べましたが、日本では法律の関係上高額賞金の提供が難しくなってしまいます。
サッカーや野球にはプロリーグが存在しますが、eスポーツにはまだ大規模のプロリーグも存在していません。
プロゲーマーになってeスポーツに従事しても、国内では賞金を稼げるチャンスが少ないのです。
歴史が浅く世界的なスター選手がまだいない
日本でeスポーツの存在が認知されてきたのは、ここ数年のことです。
2016年ごろまではまだその存在を知っている層が少なく、2018年に流行語大賞にノミネートされた時にその存在を知ったという人も多いかと思います。
そのため、まだまだ歴史が浅く世界中で活躍し、名を知られているようなスター選手がいません。
プロゲーマーとなってeスポーツの世界で活躍するということが身近に感じられず、憧れの職業となりにくい部分があるのです。
関連企業への転職でeスポーツを支える人材に
eスポーツの市場規模を拡大するためには、プロゲーマーになる以外にも方法があります。
人材エージェントを利用してeスポーツを支える職業に就きましょう。
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eスポーツの市場規模についてまとめ
今回Pacific Metaマガジンでは、eスポーツの市場規模について以下の内容を中心にご紹介しました。
- 世界でも特にeスポーツの市場規模が大きい国はアメリカ・中国・韓国
- 日本はまだeスポーツ先進国とは言い難いが、市場規模は着実に拡大してきている
- 日本におけるeスポーツの市場規模を拡大させていくためには、法律や「ゲームは娯楽」という考えの払拭などクリアすべき課題が多い
残念ながら、日本では世界的に見てeスポーツの市場規模が大きいとは言えません。
ただ、着実に人々になじんできています。
eスポーツは今後オリンピック競技にも採用される可能性があり、世界的に見ても立派なスポーツ競技の一種として扱われてきています。
メディアで取り上げられる機会が増えたり大規模なeスポーツの大会を開いたりすることで、どんどん普及が進んでいくことでしょう。
もっと多くの人々がeスポーツに興味・関心を持ち、広まっていくことを願っています。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。