Oculus Riftやメタバースの登場でVR業界が盛り上がってきました。
メタバースのVR空間を作成したり、Oculus Rift内でゲームを制作したりするのが、VRエンジニアと呼ばれる技術者です。
「職業の選択肢を増やすためにVRエンジニアの技術・知識を備えておきたい」「未経験からVRエンジニアを目指たい」方も多いのではないでしょうか?
今回Pacific MetaマガジンではVRエンジニアについて以下の内容をメインで紹介していきます。
- VRエンジニアの仕事内容
- VRエンジニアが身に付けるべきスキルについて
- 未経験からVRエンジニアになるための勉強方法について
- VRエンジニアを目指す人におすすめな本を2冊紹介
- VR技術者認定試験について
- VRエンジニアの求人はレバテックキャリアがオススメ
VRエンジニアが覚えておいた方が良いプログラミング言語とゲームエンジンも紹介していきます。
VRエンジニアの仕事内容
VRエンジニアとは「Virtual Reality」のアプリケーションを開発する技術者のこと。
VRエンジニアの仕事のワークフローは以下になります。
STEP1 | コンテンツ設計 | VRの空間内にデータを埋め込む場所と数、機能の要件を想定し定義する段階。 |
STEP2 | コンテンツ制作 | コンテンツ設計で想定した要件を元に、ゲームエンジンやプログラミング言語を使い作りこんでいく。 |
STEP3 | テストとデバッグ | 実際に仮想空間を体験して正常に動くか試していく段階。バグが発生したら都度デバッグをして調整する。 |
仮想空間を構築し、空間内に物や機能を実装していくのが、VRエンジニアの仕事と言えるでしょう。
VRの仕事には、コンピューターグラフィックスを使用したCG版と、不動産の写真を実際に撮りに行く実写版があります。
- CG版:MayaやBlenderを使いアバターのようなコンテンツを実装する
- 実写版:360°カメラで素材を収集して動画を編集。コンテンツをVR空間内に埋め込む
クライアントや関係者の間で、「どんなVR空間にしたいのか」齟齬がでないよう、情報を共有していきましょう✨
VRエンジニアが身につけるべきスキルは?
こちらではVRエンジニアが身に付けるべきスキルを紹介していきます。
動画撮影スキル
VRエンジニアには動画撮影スキルを身に付けなければいけません。
ストーリービューを使ったVRのコンテンツは、実写映像や画像が多用されているからです。
360°撮影可能な魚眼レンズで撮影していきます。
普通のカメラとは違い、不用意な物を撮影してしまうかもしれません?
撮影方法や持ち方など、最低限の動画撮影スキルを取得しておいても損はありません。
動画編集スキル
VRコンテンツは360°カメラで撮影した実写映像や画像が使われます。
撮影された動画はそのままだと使い物にはなりません。
360°の魚眼レンズで撮影した映像を編集していく作業が特徴です。
無駄な部分にカットしてテキストを追加しながら、商業で活用できるコンテンツに仕上げていきます。
VRエンジニアを目指す方は動画編集スキルも習得しておくといいでしょう。
ゲームエンジンでの開発スキル
VRエンジニアを目指すには、ゲームエンジンの知識も必要です。
こちらでは、
- Unity
- Unreal Engine
の2種類を紹介していきます。
Unity
UnityはC#のプログラミング言語と多機能なGUIツールで、ゲームを制作できるゲームエンジンです。
Unityは直感的な操作と手軽にプログラミンするだけで、クオリティの高いゲームが作れます✨
企業開発分野では2D・3D・コンシューマーゲーム、スマホアプリ制作の開発現場でUnityが多用されています。
有名ゲームだと、ポケモンGo、ドラゴンクエストⅧ、原神もUnityで作られました?
Oculus Rift・Oculus QuestのVR空間も手軽に構築できます。
そのため、ゲーム分野のVRエンジニアになるには、Unityのスキルを取得しても損はありません。
Unreal Engine
Unreal EngineもUnityと同じく、GUIツールを使用してゲームを制作できるゲームエンジンです。
ゲームエンジンより更に一歩進んだ、ブループリントというスクリプト技術を使用しており、簡単なゲーム程度ならプログラミングなしで作れてしまいます。
UEはハイクラスのグラフィック機能を持つため、美麗な3Dアクションゲームを制作する開発現場で多用されています?
UE4ではテレポート機能や物掴み機能がアップデートされ、VRの最新技術が導入されました。
Oculus製のVRゲームが制作できるので今後は、UEでVRゲームが作られるようになるでしょう。
プログラミング言語の知識
VRエンジニアになるには新卒の資格よりも、プログラミング言語の知識が必至です。
こちらではVRエンジニアにおすすめのプログラミング言語を紹介していきます。
- Java Script
- C#
- Blue Print
- Bolt
- Ruby
- GO
それぞれの言語がどんな開発現場で使用されているかも解説していきます。
Java Script
JavaScriptは静的なウェブページに動きを与えられる、フロントエンド向けのプログラミング言語です。
Webページでアニメーションを適用させたり、ボタンを押したらポップアップが表示されるプログラムは、JavaScriptで作られています✨
HTML/CSSと併用して使う場合が多いため、Webシステム・ブラウザアプリの開発現場で多用されています。
C#
C#はCやC++から派生した汎用性が高いプログラミング言語です。
ビジネス用のGUIアプリケーションの開発から、ロボット運用の大規模なシステム開発の現場で使用されます。
近年では組み込み系、制御系、Androidアプリを開発する際に、よくC#が多用されていましたね。
C#を使ったゲーム、AR/VRを開発する場合、Unityのようなクロスプラットフォームで使用して、開発することになるでしょう✨
C++
C++はC言語を元に作られたオブジェクト指向のプログラミング言語で、C言語の拡張版す。
C言語より処理能力が速く、C++と互換性があるため、手続き型言語としても使用できます
Googleでも社内標準言語として使用されているだけではなく、プログラミング言語の人気では常にトップクラスに君臨しています?
2D・3Dゲーム、制御・組み込み系、人工知能のような大規模開発現場に多用されているのが特徴です?
Blue Print
Blue Printはビジュアルスプリクティングシステムと呼ばれている機能です。
ゲームエンジンのUnreal Engineに搭載されている機能で、ノード、イベント、変数、関数をワイヤーで繋いで設計図を作りながらゲームが制作できます?
プログラマーしか使えないプログラミング言語を、デザイナーでも直感的に使用できる画期的なスクリプトと言っていいでしょう?
Blue Printの技術は主にPS4、Xbox、Steamのプラットフォームでリリースする、大規模な3Dアクションゲームを開発する際に使用されます。
Bolt
BoltはUnityのAssets Storeから無料でダウンロードできるビジュアルスクリプティングツールです。
プレイヤーを動かす処理もノードを繋げていくだけで可視化できるので、論理的かつ直感的にプログラミングができるようになります。
Nintendo Switchの「はじめてのプログラミング」を思い浮かべるといいかもしれませんね?
Boltは現場だとあまり使われていないようですね。
Ruby
Rubyは1995年に日本人のまつもとひろゆき氏が公開した、唯一の国産型プログラミング言語です。
C言語では5行以上のプログラムが、Rubyではたった1行で記述できることから、徐々に人気になり浸透していきました。
日本語のリファレンスが豊富で勉強しやすいのがRubyの大きなメリットでしょう✨
RubyはWebアプリケーションの開発に長けているのが特徴です。
VR開発では主に、バーチャルで売り買いするECサイト、VRチャット、VRプラットフォームの開発・運用に使用されています。
GO
GO言語はGoogleが開発・運営しているプログラミング言語。
GO言語はLinuxとMacOSのみ対応でしたが時代と共に進化していきました。
2012年にはWindows、2014年にはAndroidのアプリケーション開発ができるようになります。
スマホと連動するIoT機器の開発やアプリケーションのバックエンドの開発現場で使用されているのが特徴です。
2022年ではGO言語でVRのプラットフォームのサーバーサイド開発・運用をしている企業も多いようですね。
最新情報を取得する能力
VRエンジニアはPSVRやOculusRiftが2012年に販売されて、認知されてきた新しい技術職です。
比較的新しい職業でネットにもあまり情報が出回っていません。
VRを構築する時、各分野の技術情報はいち早く取得し、開発に活かせるか、どう応用できるかを考える好奇心は、VRエンジニアのスキルアップに繋がります?
最新情報を取得する能力は、VRエンジニアにとって、必須のヒューマンスキルと言えるでしょう。
コミュニケーション能力
商業用のVRアプリケーションは一人で作成できません。
クライアントの意向を元に、社内のクリエイターたちと技術を連携し合い、1つのVR作品を作り上げていくのがVRエンジニアの仕事です。
VRでどこまで再現できるかが分からないクライアントに対しては、説得・納得してもらう必要に迫られるでしょう。
立場の違う人に齟齬がないよう伝えられる、コミュニケーション能力はVRエンジニアには必要です。
ユーザーの反応を読み解くリサーチ力
VRアプリケーションのリリース後、どんなトラブルが起こるかわかりません。
小さな意見を無視すると、それが火種になり、炎上をしてしまうこともあるでしょう?
逆に共感1つがきっかけとなり、口コミで一気に広がり、大ヒット商品に繋がるかもしれません?
- バグでユーザーがどのような不利益を被ってしまうのか
- ユーザーはどのような対応で満足するのか
- SNSではどのように評価がされているか
開発・リリースする前に、ユーザーの反応を読み解くリサーチ力が、VRエンジニアには必要になります。
未経験からVRエンジニアになるための勉強方法
大学・専門学校に通わなければVRエンジニアになれないのではないかと不安な方もいると思います。
もちろん技術があれば未経験からでもVRエンジニアを目指せる方法はいくつかあります。
- 専門スクールに通う
- 独学で勉強する
- オンライン講座を受けて勉強する
こちらでは、VRエンジニアになるための勉強方法をメリット・デメリットに分けて解説していきます。
専門スクールに通って勉強する
専門スクールに通ってVRの勉強したいと考えている方も多いと思います。
こちらでは専門スクールに通ってVRを勉強する場合のメリットとデメリットを紹介していきます。
メリット
- VRゴーグルを使った最先端技術に触れられる
- チーム制作も学べ深い知識が得られる
- 1ヶ月~12ヶ月の短い期間で学ぶことも可能
- カリキュラムを進めていく授業体系を敷いており、修了後のサポートも充実
デメリット
専門スクールの場合、専門学校や大学に比べ入学金・授業料が安いです。
しかし、それでも安くて10万円、高くて100万円ほどかかります。
初期コストがかかるのが専門スクールの大きなデメリットです?
独学で勉強する
独学でVRの勉強したいと考えている方も多いと思います。
こちらでは独学でVRを勉強する場合のメリットとデメリットを紹介していきます。
メリット
- 参考書やネットを活用し、手を動かしながらプログラミングをしていく
- 参考書は2,000~5,000円程度、ネットは無料なので、初期コストもほとんどかからない
- 自分でスケジュールを組み、隙間時間で手を動かしながら勉強できる
デメリット
専門スクールに比べ独学の初期コストは浮きますが、講師からのフィードバックがありません。
何時間も調べてようやく問題解決することもあるでしょう。
独学では効率が悪いのが大きなデメリットです?
オンライン講座「Udemy」で学ぶ
Udemyはサブスクリプション方式のオンライン講座です。
こちらではUdemyでVRエンジニアを目指す際のメリット・デメリットを紹介していきます。
メリット
- 185,000以上の授業の中から自分のスキルに合わせて、広範囲の授業を受けられる
- VR開発で重要な実践授業も多く網羅されている
- 1講座の費用も数千円~受講でき、比較的低投資でVRを学べる
- 授業内容も数時間以上と長く、内容が深いため、分かりやすい授業が多い
自分のスキル・環境に合った授業を、能動的に選択できるのが、Udemyの大きなメリットでしょう。
デメリット
Udemyのオンライン講座だと360°カメラの撮影方法やVR機材の実体験が共有できないことがデメリットに挙げられます。
また、オンラインのためVRゴーグルの機材はなく、自分で調達しなければなりません。
185,000以上の授業数は多いですが、講師の授業内容にムラがあります。
アタリとハズレの差が激しいのもデメリットですね?
VRエンジニアを目指す人におすすめの本
こちらではVRエンジニアを目指す人におすすめの本を2冊紹介していきます。
VRエンジニア養成読本
VRエンジニア養成読本はVRの基礎理論と歴史を学べます。
基礎理論は小難しい学術的な文体ではなく、イラストも多用しているため、初心者目線でスッと頭に入る内容です。
また、Unityでボールを打ち返すようなVRアプリを作る項目もあるので、手を動かしながらVRの初歩的スキルを習得できます。
VR入門用の読み物としてVRエンジニア養成読本は楽しめるでしょう✨
UnityによるVRアプリケーション開発
こちらは、Unityを使ったVRアプリケーション開発の入門書です。
どのようにVRが動作するのか前提知識の解説から入るため考え方が分かります。
実践も豊富。
Unityでコードを書きVRアプリケーションを体験しながら、体系的に学んでいけるのが特徴です。
最終的にビルドもするので、VR設計からVR開発までの基礎知識が、「UnityによるVRアプリケーション開発」で学べるでしょう✨
VR技術者認定試験で自身のスキルをアピール
VR技術を取得するには資格試験がおすすめです。
日本バーチャルリアリティー学会がVR技術の資格を取得する試験を主催しています。
- VR技術者認定試験セオリーコース
- VR技術者認定試験アプリケーションコース
いずれも日本バーチャルリアリティ学会が出版している「バーチャルリアリティ学」という本を使用して勉強していきます。
セオリーコースとアプリケーションコース、どちから片方合格すると「バーチャルリアリティ技術者」の資格が授与され、両方合格すると、「上級バーチャルリアリティ技術者」の称号が貰えるのが特徴です?
VR技術者認定試験セオリーコース
VR技術者認定試験セオリーコースはバーチャルリアリティ学の1章~4章が出題範囲です。
- バーチャルリアリティとは?
- ヒトと感覚
- バーチャルリアリティ・インターフェース
- バーチャル世界の構成方法
VRの基礎中の基礎をセオリーコースで勉強します。
独学で勉強する際は資格取得という明確なゴールができるので、大きな目標ができモチベーションを保てるでしょう?
VR技術者認定試験アプリケーションコース
VR技術者認定試験アプリケーションコースはバーチャルリアリティ学の5章~8章が出題範囲です。
- リアルとバーチャルの融合
- テレイグジスタンスと臨場感コミュニケーション
- VRコンテンツ
- VRと社会
のVRアプリケーション技術の応用について学びます。
アプリケーションコースでは本以外にも、日本バーチャルリアリティー学会が主催する、講習会にも参加するといいでしょう。
本だけ読むより、理解が深まるからです。
上級バーチャル技術者の称号を授与することで、プロフィールに権威を示されるだけではなく、就職・転職で客観的に証明できます✨
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VRエンジニアになる方法のまとめ
今回Pacific MetaマガジンではVRエンジニアになる方法を解説してきました。
- VRエンジニアはVirtual Realityのアプリケーションを開発する技術職
- VRエンジニアにはゲームエンジン、プログラミング、ヒューマンスキルが必要
- スクール、独学、オンライン講座でVRを学べる
- VRを学ぶには基礎と実践で試せる本があると良い
- VRの資格はVR技術者認定試験がある
ヘッドマウントディスプレイ内にVR空間を作り出すのがVRエンジニアの仕事です。
歴史が浅い最新の技術職なだけに今後どんな方向に進化していくのか未知数。
しかし、2022年のVRエンジニアの技術は、建築、医療、旅行、ゲーム、メタバースなど、幅広い分野で使われているため、需要があるのは明白です。
幅広い分野でVRの技術が使われているため、VRエンジニアは将来性のある技術職と言えるでしょう。