モデラ―はパソコンのCGソフトを使ってモデリングしていく専門職業です。
映像・アニメ・ゲーム・VTuberといったキャラクター以外にも、工業製品を製作するときにモデラ―のモデリングスキルが必要とされています。
今回Pacific Metaマガジンでは3Dモデラ―とモデラ―について以下の内容をメインで紹介していきます。
- 3Dモデラ―とは?
- 3Dモデラ―の仕事の工程について
- 3Dモデラ―が行うモデリング手法を紹介
- 3Dモデラ―になる方法について
- 3Dモデラ―に必要なスキル
- モデラ―におすすめスキルや本
- 3Dモデラ―に向いている人の特徴
- 3Dモデラ―の需要と将来性の予測
- モデラ―の勉強は専門学校がおすすめ?
3Dモデラ―になるにはどうすればいいのか具体的な方法や適性がある人の特徴も紹介していきます。
3Dモデラ―とは?
3Dモデラ―とはゲームやアニメのキャラクター、空想上のモンスター、背景、工業製品を造形する職業の人達を指します?
具体的にはクライアントが用意したデザイン資料や要望を元に、3DCGソフトを使い、「ミーティング→モデリング→リギング→テクスチャ」という工程でモデリングしていきます。
2次元の原案を元に立体的に造形するのが3Dモデラーの仕事です。
図形の面・辺・頂点を操作しよりリアルにグラフィックを完成させていきます。
そのため、観察力、造形をとらえるのが上手な人、空間認識能力が高い人に向いている職業です✨
プラモデルやフィギュアでもプロモデラーと言いますが、意味はほとんど同じで模型・造形を作る人です。
3Dモデラーの仕事内容は?
こちらでは3Dモデラ―の仕事内容を紹介していきます。
基本は「ミーティング→モデリング→リギング→テクスチャ」という工程で現場は進行していくのが特徴です。
それぞれの工程がどんな仕事内容か順番に紹介していきます。
ミーティング
ミーティングはどういう3Dモデルを作るか話し合いをします。
クライアントからデザインや必要な資料を受け取り、情報共有して仕事をする段取りを決めていく工程です。
3Dモデリングは少しでも造形が狂うと珍妙な形になってしまうのでモデリングは繊細な作業と言えるでしょう?
そのため、事前に話し合いデザイナーの意向をしっかり汲み取ることが大切になるのです。
モデリング
ミーティングが終わると3Dモデラ―の本領が発揮できるモデリングを開始します?
3Dモデリングは数学のベクトルを使い、xで横、yで縦、zで奥行きを表現します。
ベクトルのxyz座標軸を操作して、拡大縮小・回転・移動を駆使し、ただの図形から形状を造形していくのがモデリングという作業です。
実際のモデリング作業はミーティングでクライアントから受け取ったデザイン案を元に、Maya、Blender、3ds MAXといった専門の3DCGソフトを使用して作成します。
必要に応じて面や頂点を増やし、ベジェ曲線でオブジェクト変形・微調整していきます。
モデリングのコツは面や頂点の数をできるだけ減らし、最初はざっくりした形状にモデリングしていきましょう。
面や頂点を増やしすぎると管理が複雑化し大変になってしまうからです?
モデリングが完成したらリギングの工程に移ります。
リギング
モデリングの次の工程がリギングと言われるものです。
たとえば、腕を動かす、腰を落とすといったアニメーションを作成したい場合はボーンをはめ込んでいく必要があります。
モデリングしたオブジェクトにボーンをはめ込んでいく作業のことをリギングと言います。
ボーンはハンドルやコントローラーという意味があります?
人体構造で言うと腕・足・胴体・指など、三角形と球体でできたボーンを組み込むと、関節がコントローラーで操作したように動き、より人間らしい動きになります。
リギングの工程を行うことで、モデリングしたオブジェクトが垂直の状態から、腕を上げたり、メカのように変形させたりできるようになります
つまり、オブジェクトに命を吹き込む作業がリギングです。
プラモデルで言うとパーツをニッパーで切って組み立てる作業でしょうか?
テクスチャ
モデリングとリギングが完成したら3Dモデラ―の一番楽しい作業のテクスチャが始まります?
造形が完成したら大体は色が付いていない無地のオブジェクトです。
最終的にはクライントのデザイン案を元に、オブジェクトにテクスチャやマテリアルという技術を適用します。
テクスチャやマテリアルは色を付けたり、メタルな質感を加えたり、凹凸情報を加えたり、モデリングのクオリティアップを図る作業のことです。
テクスチャの作業はUV展開で展開図を作成し、そこにテクスチャの情報を与え、オブジェクトにディティールや質感を表現していきます。
3Dモデリングの仕事の中で一番クリエイティブで楽しい工程と言えるでしょう✨
つまり、テクスチャはプラモデルやフィギュアで言うとシールを貼り塗装していく工程ですね。
3Dモデラ―が行うモデリングの手法
図形を操作していくだけでどうやってリアルな造形が出来上がるのでしょうか?
こちらでは実際に3Dモデラ―が行うモデリングの手法を紹介していきます。
現場ではこちらで紹介するモデリングの手法ごとに役割分担されていることもあります。
3Dモデラ―を目指している人はぜひチェックしてみてください?
ポリゴンモデラー
四角形ポリゴンや三角形ポリゴンのように、3点以上の頂点を結んでできた多角形面の組み合わせでモデリングをするのがポリゴンモデラ―です。
立体の図形から四角形や三角形の面をメインに微調整しながらモデリングします。
しかし、ポリゴン手法を使ったモデリングは作業しやすいですが、まだまだクオリティは低いと言えるでしょう。
次の作業をサーフェイスモデラ―に渡し、ブラッシュアップしてもらいます✨
サーフェイスモデラー
サーフェイスモデラ―はNURBSカーブやサーフェス機能を用いたモデリングをする職業の人たちです。
ポリゴンモデラ―から完成品を設計者が受け取り、面と線同士を繋いで魅力的な形状をモデリングするのがサーフェスモデルと言います。
中身の入っていない張りぼての箱を想像するといいかもしれません❗️
ちなみに、サーフェスモデルはロボットや自動車のボディのように複雑な形状をした機械物をモデリングする際に使用されるテクニックです。
ソリッドモデラー
サーフェスモデリングの張りぼて状態から体積などの中身を加え、立体を定義する人をソリッドモデラ―と言います。
現場ではサーフェイスモデラ―からデザインを受け取り、ソリッドモデリングで形を詰めていく作業をしていきます。
3Dモデラ―にはどうすればなれる?
3Dモデラ―になるには情報系やグラフィック系の専門学校や大学を卒業し、ゲーム制作・映画制作・工業製品製作系の企業に就職する方法があります。
新卒の場合は3Dモデリングのスキルがほとんどいりません。
3Dモデラ―の技術は後から身につくからです?
ただし、転職の場合はスキルがある方やポートフォリオを作れる方が有利です✨
新卒の方も転職を考えている方も一度、有料の「Maya」や「3DCAD」無料なら「Blender」「Fusion360」でモデリングを経験してみてください。
モデリングソフトをある程度使えるようになると適正も分かりますし、3Dモデラーの転職・就職に効果的です。
3Dモデラ―に必要なスキルとは?
こちらでは3Dモデラ―に必要なスキルを紹介していきます。
3Dモデラ―になるには、あると便利なスキルばかりですよ。
モデリングのスキル
3Dモデラ―になるにはMayaや3DCADのソフトを使用し、単純な立体の図形オブジェクトから頂点・面・辺を調整しモデリングするスキルが必要です。
しかし、実際の現場は分業化が進んでおり、一から全てをモデリングするということはあまりありません❗️
キャラクターモデリングに特化するモデラ―もいれば、リギングやテクスチャといった作業に分割されている企業もあります。
まずは自分が就きたい職種に絞った作品や企業を探してモデリングのスキルを身に着けていくといいでしょう。
空間認識能力
3Dモデラ―になるにはモデリングができる基本スキルも必要ですが、空間認識能力のヒューマンスキルも大事です。
モデリングはxyzの座標軸を使った3次元ベクトルの情報から操作していきます。
そのため、3次元空間におけるオブジェクトの位置関係・大きさ・形状・方向・面の数・頂点の数などを頭の中で想像できる空間認識能力があるとモデリングの理解度が速くなります。
頭の中で考えた立体をソフトに落とし込めれば3Dモデラ―にとっては武器や才能と言えるでしょう。
デッサン力
3Dモデラ―にはデッサン力も必要となります。
モデリングするには2次元デザインの下地が必要です。
そのため、デッサンを描くために必要な陰影の表現力・質感・光沢・構図・パース・観察力は、3Dモデラ―に直結するスキルと言えるでしょう。
デッサンをすることで観察力も鍛えることができます。
専門学校でも3DCG技術のほかにも、必ずと言いほどデッサンを学ぶカリキュラムが入っています✨
英語力
3Dモデラ―になるためには英語力があると便利です。
ゲーム制作や映像制作の現場で使用するモデリングのソフトは、英語圏で作られたものが多いのが特徴です。
英語力があると操作するツールの名前が分からなくても困りません。
また、英語力があると海外で翻訳される前の一次情報を拾え、リサーチしてモデリングに活用できるという利点があります。
モデラーにオススメの資格
こちらではモデラ―になるために取得するとオススメの資格を紹介していきます。
資格は客観的なスキルですので取得すると、履歴書にも書けますし、就職・転職に有利になります?
また、資格取得を目指すのに必要な参考書や問題集も紹介していきます。
モデラ―を目指している方は資格取得のチャレンジをしてみてくださいね。
CGエンジニア検定
CGエンジニア検定はデジタル技術に必要なシステムの開発、設計能力、プログラミング知識を測るエンジニア向けの資格です。
ソフトウェアや製品を開発する能力をCGエンジニア検定を取得・勉強することで実践レベルで身に付けられるでしょう。
こちらで紹介している本はCGエンジニア検定の公式が販売している問題集です。
CGエンジニアの基本知識前提の問題集ですが、資格取得する方は参考にしてみてください。
CGクリエイター検定
質感やライティングといったCGの表現力を鍛えたい方はCGクリエイター検定をおすすめします。
CGクリエイター検定はデッサンや色彩の基本スキルからモデリング、リギング、マテリアルなど、クリエイティブなスキルを覚えられるでしょう。
CGソフトを使った実践でも応用が可能な資格です。
3Dモデラ―を目指している方はCG-ARTSが主催しているCGクリエイター検定を目指してみてください。
色彩検定
モデリングでマテリアルやテクスチャで色を付ける時に便利な資格が色彩検定です。
こちらで紹介している本は色彩検定の2級の公式テキスト。
色の歴史や原理の基礎知識から、色相環・彩度・明度・色立体の理論を用いた配色をフルカラーで学べます。
色彩検定の資格を取得することで、調和のとれたマテリアルを選べ魅力的なモデリングができるようになるでしょう?
画像処理エンジニア検定
画像処理に関しての知識を問われるのが画像処理エンジニア検定です。
たとえば、画像処理エンジニア検定を取得すると、QRコードに画像処理を適用できる方法や、監視カメラからAIを駆使し画像から人物を割り出すようなスキルが身に付きます。
映像や通信分野はもちろんのこと、工業・産業・医療など幅広い分野で使われているスキルです。
こちらで紹介する公式問題集で資格取得を目指してみてください。
3Dモデラ―に向いている人の特徴
こちらでは3Dモデラーに向いている人の特徴を紹介していきます。
実際に現場で働く前に適性を知っておくといいでしょう。
コミュニケーション能力がある人
3Dモデラ―はパソコンの前で黙々と作業をするイメージがあります。
しかし、ゲーム制作の現場はコミュニケーションの応酬です?
ディレクターに業務進行を報告しなければいけませんし、ミーティングで発言する機会もあるでしょう。
最低でも「報連相ができる人」を目指してください。
もっと上を目指すなら「人を説得でき論理的に話せる」コミュニケーション能力がある人はより3Dモデラ―に向いています。
造形をとらえるのが上手な人
モデリングは横・縦・奥行きを3次元的で考え、面や頂点を微調整し、単純な立体から造形していきます。
造形をとらえるにはxyzの座標軸で考えられる力が必要です。
たとえば、粘土造形をするときのことを考えると良いでしょう。
粘土造形はモデルを元に形状をとらえて、縦と横の2次元ではなく、奥行きも含めた3次元でモデリングしていくと思います。
そのため、造形をとらえるのが上手な人になるには粘土造形のトレーニングが有効です✨
観察力のある人
観察力がある人は3Dモデラ―に向いています。
実際にモデリングするにはできるだけ似た対象の写真を、情報収集とリサーチで見つける必要があります。
そのため、クライアントの要望を細部まで正確に表現するには、似たモデルを見つけ出す観察力が必至です。
情報収集とリサーチの結果から観察力をフルに活用して似せるようにモデリングします。
観察力を鍛えるにはデッサンが有効ですので試してみてください。
3Dモデラ―の需要と将来性
3Dモデラ―はいたるところで需要があり将来性は期待できる業界と言えるでしょう。
近年では3Dプリンタを利用して工業製品を作る企業も増えているため、3DCGが必要な場面はゲーム制作や映像関係だけではありません。
モデリング技術は医療・ARやVR・建築や設計、どこの業界でも必須の技術です。
しかし、モデリングの需要が増える一方で3Dモデラ―の技術者人口が足りていません?
2021年技術者の人口は92万人で3Dモデラ―に限定するとさらに少なくなります。
3Dモデリングのスキルがある人は企業にとって喉から手が出るほど欲しい存在と言えるのです。
モデラ―の勉強をするなら専門学校!
モデラ―の勉強をするなら代々木アニメーション学院がおすすめです。
なぜなら、代アニではモデリング・テクスチャだけではなく、ライティングやアニメーションまでモデリングの基礎を学べる週1のモデリング専用の3DCGコースがあります。
もう少し踏み込んだスキルを身に着けたいという方はゲーム総合学科もおすすめです。
ゲーム総合学科では2D・3DCGを編集する技術を学べ、それをゲームやアニメに活かすスキルも一緒に学べるでしょう?
しかも、代アニの「ゲーム総合学科」では、ゲームを制作してリリースし、会場の人にゲームをプレイしてもらう成果発表会の場を用意してくれます。
つまり、独学で3Dモデラ―の勉強を始めている人より、就職・就活に有利な状態で開始できます✨
3DCG科やゲーム学科だけではなく、代アニには20以上もの学科があります。
目的に応じて学科を選べるのも代アニのおすすめポイントです。
モデラ―の仕事についてのまとめ
今回Pacific Metaマガジンではモデラ―の仕事について以下の内容で紹介してきました。
- モデラ―は単純な図形からキャラクター、モンスター、背景、工業製品をモデリングするプロフェッショナルな職業である
- モデラ―の仕事内容は「ミーティング→モデリング→リギング→テクスチャ」という工程に分かれている
- モデラ―の手法は大きく分けてポリゴン、サーフェス、ソリッドの3つに分類される
- 3Dモデラ―になるには新卒や未経験からでもなれるが、ポートフォリオがあると面接で有利になる
- モデリング以外にも役に立つヒューマンスキルがある
- 3Dモデラ―にも向いている人や向いていない人の適正がある
- 3DCGの業界は技術者の人材が足りていなく、企業にとっても3Dモデラ―は需要がある
- モデラ―の勉強をするためには代々木アニメーション学院などの専門学校がオススメ
モデラ―は様々な業界で必要な人材であり将来性があります。
業界ではモデラ―の需要と技術者のスキルバランスが取れていません?
技術者が足りていない状態なのです。
そのため、今からモデリングを学んでも遅すぎるということはありません。
これからモデラーを目指す人はモデリングの勉強をしてみてはいかがでしょうか?